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お母さんの机

お母さんの事 19

数日たって、お母さんは状態が安定したとあってHCUから一般病棟へ移されていました。

仕事を終えて病院へいくと弟さん一家と彼女がお母さんのベットのまわりを囲んでいました。

私はそこにいる皆の笑顔で迎えられ、お母さんの近くへ来るよう促されました。

彼女がお母さんに「まあちゃんが早く気が付いたから助かったんだよ」と言いながら手の甲を擦ります。

お母さんが体を起こすように「ありがとう、ありがとう」と、いつか聞いた時と同じように「ありがとう」を二度繰り返しました。

皆が申し合わせたようにニコニコと「よかったね」と声をかけます。


私もお母さんの手を握りながら笑顔で「よかった・・・」と言いながらも、少し違和感を感じました。

お母さんは身振り手振りを加え色々と話をしたり笑ったりして、あの夜を思えば比較にならないほど回復しているのが分かりますが、誰と喋ってもなかなか話がかみ合いません・・・

時折、声は出ているものの言葉がまったく理解不能で、それでも何かを説明するように手振りを加えている様子を見ていると私は悲しいものを感じました。

投与している薬のせいだとの事ですが、硬膜下血腫の手術をする以前の状態と同じかそれよりも悪くなっているような感じがします。

痙攣を抑える薬のせいなので以前と比べることはナンセンスなのでしょうが、私が感じたものは「悲しさ」でした。

私も他の親族たちと同じくニコニコと接しましたが、おそらくは予定調和と言うか同調というのか、つまりそうする他なかったのでしょう。


更にその数日後、CTでお母さんの左脳に出血が確認されました、危惧していた脳梗塞です。

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