家具雑貨工房 ki-kiru(きーきる)

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お母さんの机

お母さんのつくえ 28

次の日曜日・・・・

側板等、そろそろ部材も揃ってきた頃でした。

私は引き出しの構造を擦り桟にするか、スライドレールにするか迷っていたので、彼女とお母さんに要望を聞くことにしました。

すると、お母さんが間髪いれず

「スライドレール!」と言ったのです。

そして私の彼女が

「お母さん、どうしてスライドレールのこと知ってるの?」

と、ビックリするように言いました。

私も同じ気持ちでした.
70過ぎの年寄りがそんな横文字の金具のことを知っているわけがない。

もし、どこかでそんなレール付の引き出しを見たことがあったとしても、スライドレールという単語を聞いてすぐさま「コレがいい!」と反応するわけが無いと思っていたのです。

一瞬、お母さんの少し離れた両目を見つめました。

その目はすべてを理解している、そう言う目をしていました。


そんなわけで、スライドレールを使用する事になったのですが、如何せんこんな田舎ではそんな物がすぐ手に入る訳もなく、机の制作は一時中断です。



外はすっかり春めいていて、山ではツツジが咲き始めていました。

私たちは気分転換を兼ねて近所の「障害者の森」という公園に出かけました。

車を駐車場に停めると、少し離れた所でツツジの花が咲いていました。

歩けばすぐそこなのですが、そんな距離でもお母さんにとっては自力で行くには難しく、

「母さんは、ここで待ってるから二人で行っておいで」と言うのです。

私はどうしてもあのきれいに咲いているところを見せてあげたくて、

「お母さん、俺におぶさって。一緒に行こう。」

と、お母さんの足元にしゃがんで促しました。

「あら、いいねそれ。母さん、おんぶしてもらったら?」と私の彼女が言いました。

画像


お母さんは実の息子さんにもおぶって貰った事がないと、スゴく照れくさそうでした。

後日知ったのですが、実はこの時かなりアバラのあたりが痛かったらしく、肋骨にひびが入ったのかも…と私の彼女がそっと耳打ちしました。

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