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家具雑貨工房 ki-kiru(きーきる)

北海道広尾町で木製品を作っています
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道具

自分の道具を作る

注文の仕事の合間にこんな物を作っています。

こういうテクスチャーというのか丸ノミを使った彫り込みがマイブーム(古い?)になっているのですが、ノミの厚みが邪魔していいるようで一発で綺麗な掘りが難しく、1箇所掘るのに2回3回と刃を入れていたんです。

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これを何とか一発で彫れないかと考えて、彫刻刀を購入しました。

しかし馴染みの刃物屋さんでは私の欲しい丁度良いサイズが無くて仕方なく一寸幅の彫刻刀を買い、グラインダーで24mmくらいまで削って、試しに彫ってみるとやはり彫刻刀は厚みが薄いからなのか一発で綺麗な彫りが出来るようです。

即席で作った柄がダサいですね。

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この彫刻刀はこれで使えないことはないのですが、幅が広すぎて無駄が生じます。

で、この幅の彫刻刀はラインナップとして持っていて損はないはずなので、別途同じ一寸の浅丸彫刻刀を追加購入し、欲しいサイズに切って使うことにしました。

何故こんな無駄な事をしているかというと、馴染みの刃物屋さんの在庫を購入すると仕入れた30年ほど前の価格で売ってもらえるからです。
在庫にないものを取り寄せる場合は当然現在の価格(二倍程)になりますからね。


これを金切ノコで軟鉄部分を切って、万力ではさんでペンチでグイっとやるとパキっと折れるそうです。

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しかし、そんな言うほど簡単ではありませんでした。
いくらグイっとやっても鋼はびくともしません。もしかして鋼部分にも少し切込を入れないとダメなのかもしれませんが、そこまでやる気になれずトンカチでガンっと叩くとパキンっと汚く割れました。

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これをグラインダーで色々と削って整えて、時間は掛かりましたが新しい道具として完成しました。

彫刻刀を柄にガンガンと叩き込んだら柄が割れてしまったので麻紐で補強し瞬間接着剤で固めました。

当然、キンキンに研ぎ上げてから使うのですが、思っていた通りよく切れます。
深く彫ろうとするとムシレる感じになりますが、その点を注意すれば一彫り一発で決まります。
写真はナラの古材を使っていますが、柾目よりも板目の部分の方がサクサク切れて気持ちいいです。

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会社勤めをしていた時の先輩方が口を揃えるように「一人前なら自分の道具は自分で作るのが当たり前だ」と言っていたのですが、その手作りの道具はお世辞にも私には使いやすい良い道具には感じませんでした。

餅は餅屋というように、何故専門の業者に発注しないのだろうかと思っていたわけですが、今はなんとなく解ります。
冶具作りもそうですが、なかなか一発で思ったような道具が出来ないんですよね。

問題は今すぐにでも解決したい、そうでないと色々と間に合わないことが起きてしまうので。
そして、暇なときは腰が重い(笑)

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木工製作記

センターテーブル④

天板とその他の部材の木地を仕上げました。

こうして見ると、レックジョイント金具を使うと仕口を作らないし、部品数が少ないというか、たったこれだけでテーブルが出来ちゃうんだなと感心してしまいます。
もう、やめられないかも・・・

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念には念をの仮組み。
脚が短くて太いので力をいれてもグラグラしません。
あ、長い脚にする場合はもっと強度のある金具もあります。

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昇降盤の盤上でグラグラテスト、合格です。

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仮組みをバラして塗装に入りました。
産業用プレポリマーと目止め剤、仕上げはオリオ2(ステイン調合)を3回。
目止めをすると塗膜性能は当然上がるのですが、風合いがウレタンにかなり近くなってしまいます。
ワイルドなテーブルにしたかったので逆効果だったろうか。

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でも、ナラといえども傷んだ天然乾燥材ですから、納品後の反りやねじれを意識しないと恥ずかしい結果になってしまいますから今回の選択はとても悩ましい選択となりました。

しかし、やはり天然無垢のテーブル存在感は素晴らしく、あんな傷んだ材を良くここまで仕上げたなと我ながら感心しています。

完成品は1週間ほど養生し、無事納品に至りました。

今回注文いただいたのは小学校の同級生で職場の同僚だったカメラマンで登山家の辰巳さんです。
因みに写真左が辰巳さんで右が私。お互いに50を過ぎていますから頭皮などに衰えを隠せません、私は帽子をかぶっているので若干若く見えるかもしれませんが、どちらも昭和42年生まれ。

奥さんも写っていますが、顔出しの承認を得ていませんので隠しました。

納品先は完成直前の新居。

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実家の建て直しですが50を過ぎてからの新築は実に男前だと思います。
その勇気と根性を称えてこのテーブルを作らせていただきました。

この新居は私たちが通った帯広市立光南小学校のすぐそばなので、子供の頃このあたりでよく遊んだ事を思い出し、今こうして木工を通してこの地域に訪れた事を感慨深く想いました。

木工製作記

センターテーブル③

天板と脚の接合はレックジョイントボルトを採用しました。
初めてやる方法です。

テンプレートを作って掘るのですが、私、ガイドブッシュを持っていないのでベアリング付きの習い加工用ビットを使うのですが、丁度良い長さのビットが無いのでテンプレートの方を二枚重ねて掘り下げました。

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トリマーを使っているのは特に意味はありません。



一枚目のテンプレートを外して二枚目のテンプレート。
位置決めはダボで。

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小さい楕円を掘った後に大きな楕円を掘りました。
これも二枚のテンプレートを使っています。

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予定通り加工できたのか確認の為に金具を収めました。
天板と面一にするよりも金具の方が0.5mmから1mm低いほうが引付けが良いようです。
だからこんな感じで良いのではないでしょうか。

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脚部の金具を埋める加工。

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ビットをや勾配を色々と替えて穴を掘っています。

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脚の金具を収めて天板側の金具も使って位置関係の確認。.
算出した寸法通り加工出来たので、当たり前ですが特に問題は無いようです。

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テーパーピンを打ち込むと取れなくなっちゃいますから、仮に同経の六角レンチを差し込んでいます。

木工製作記

センターテーブル②

手押しでハギ面

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ビスケットを二段に

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圧着

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硬化後、長さを整えて角をRにしたり、耳を整えたり。

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無数のようにあった虫穴や割れを埋め、不要な瞬間接着剤を除去。
ネットではグラインダーなどのグルグル回る系のサンダーでやるのが良しと紹介しているのを見ましたが、どうしても平面が崩れてしまうイメージしかないので取り敢えず接着剤の膨らみはノミで薄く何度もそぎ落とすように削りました。

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日記

センターテーブル①



私の小学校の同級生が新築住宅完成に合わせてこの木を使って何か作って欲しいと相談があり、検討の結果センターテーブルを作る事になりました。

材料は同級生が何故か持っていたナラの・・・
未使用なので古材でもないし、でも激しい虫食いと割れがあって、確か以前林業関係者から教えてもらった言葉で「こさん材」(漢字不明)というのがあって、それは原木の状態で山林に長らく放置されて鉄砲虫にやられまくったり、バクテリアに犯された材の事を言うらしいのですが、そんなイメージの材料でした。

因みに鉄砲虫と言うのはこちら地域の林業関係者の通り名で、鉄砲玉のように直線的に芯の方へ向かって喰い進む何かの幼虫のことで、それが何という虫の幼虫なのかは不明です。

同級生が誰かから貰い受けたもののようですが、それが製材後材が傷んだのか挽く前からだったのか知る由もありませんが、硬い楢でもこんなに喰われるのだなと感心するほどです。

しかし、これはこれでワイルドな風合いになるのではと期待を込めてテーブルに仕上げる事にしました。


先ずは荒木取りをして様子を見ます。

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傷んだ部分を避けるように片耳を落として見ると、まだまだ虫喰いゾーンがあるので更に切り落としました。

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一応並べてみるとこんな感じ。
一番狭い部分の幅で45cmくらいでしょうか、施主の希望は60cmでしたから別材をはさんで三枚ハギになりますね。

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手押し自動にかけて材を真っ直ぐにします。

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接ぎ面を作る際にある程度削りますから、その分を見込んで余計に残しておいたのですが、まだまだ虫喰いゾーンを避けられていないようですな。

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ま、荒木取りなので今はこの程度にしておきます。


脚部などの部材も揃い、組み合わせるとこんな感じの天板になるイメージです。
足りない部材はうちの在庫から引っ張りだしてきました。

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持ち込み材が人乾か天乾か不明なので、このあとは余裕を持って一ヶ月程養生し狂いを出しきりたい。