家具雑貨工房 ki-kiru(きーきる)

木の家具や雑貨は見えない部分が肝心です。隠し事はありませんよ、全て公開しています。

 

お母さんの事 16 

診断結果は意外にも「ケイレン」でした・・・

「CT画像の準備が出来たので、それを見ながら説明します」

担当医がそう言い、また別の部屋に案内されました。

その部屋にはモニターが三つあり、既にお母さんの頭部をスキャンした画像が映し出されていました。

その何とも無機質に感じる画像を指しながら担当医の説明が始まります。


「お母さんは激しい痙攣を何度も起こしましたが、この映像を見る限りどこにも出血は見られません」

そう聞いた瞬間、私はもしかして助かったのではないかと思いました。医者が言っているんだから間違いないのではとも考えました。

でも、もしそうであればあの痙攣は何だったのか、そもそも痙攣って一体なんだ?病名なのか?症状の事なのか?一瞬の間にあれこれと考えました。

担当医が続けます。

「痙攣というのは通常大人には起こりません、大人が痙攣を起こす時は必ず脳の中で何かしら原因があります。大概は脳出血なんですが今回の検査ではそれが認められません。もしかするとこの画像には映らないくらいの小さな出血が起きているのかもしれませんが、短いスパンでスキャンをして今は様子を見る以外ないんです・・・」

私には何とも煮え切らない、と言うか頼りない説明でした。

でも、とにかく当座はしのいだ、助かったんだと思いました。

「やったぁ」とみんなで喜び合いたい気持ですが、近くには別の家族の方たちもいることですし、グッと噛みしめます。

私は待ち合い室に戻るとすぐさまスマートフォンを取り出し、「痙攣」を検索しました。

すると、やはり大人の痙攣は脳内出血がおもな原因のようですが、稀な例では寄生虫が関係する事もあるそうです。

原因が分からない現状では手放しに喜べませんが、広尾から帯広までの出来事を思えば今生きているだけで充分です。

もしこの後大きな出血が起きても地域で一番の設備とスタッフが揃っているこの病院のICUにいられるという事は、例え万が一の事があってもこれ以上の環境は望めないことから諦めも付くでしょう。

私はそう思うと、緊張がとけてどっと疲れを感じました。

彼女もそうだと思いますが、大事なことを思いだしました、私達は夕飯の支度の途中で飛び出して来たのです。

時計は24時を過ぎていました。入院の支度もありますから住宅に戻らなければなりません。


私は90km離れた広尾町に帰る道中、医療過疎の田舎で暮らすという事について今までは考えた事も無かったのですが、実際に身をもって体験すると、そこで生きていくという事は、いくらインフラが整っても過酷なのだなと考えていました。







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