家具雑貨工房 ki-kiru(きーきる)

木の家具や雑貨は見えない部分が肝心です。隠し事はありませんよ、全て公開しています。

 

お母さんの事 8 

日曜日の事でした・・・

私は電話台の製作に熱中し、あっという間に時間が過ぎました。

夕方になり、この日の作業はもう終わりです。私の一坪工房は公営住宅の物置なので午後5時あたりまでが限界でしょう。

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過去に苦情がきた事は一度もありませんが、快く思ってくれている人ばかりではないとおもいます。


二階の彼女の住宅に上がり、木の粉まみれになった全身をシャワーで流しました。
彼女がまだ台所で食事の支度をしていたので、私はその間動画サイトを検索していると、お母さんがそれを見て「まあちゃんは勉強熱心だから」と言いました。

私は「勉強なんかじゃないよ、遊んでいるんだよ」と言ったのですが、お母さんは私の邪魔を気遣い、自分の部屋に入ってしまいました。

それを見て今度は私の方が申し訳なく思っていると、お母さんは部屋から何かを持って現れました。

お母さんは「まあちゃんはお勉強だから私もやるよ」と言いながら広げたのは、ぬり絵でした。

広尾町のお年寄りには「なごやかサロン」という老人クラブのようなサークルがあり、毎月一回ですが彼女のお母さんもそこに参加しており、いつも楽しんでいるようです。
「なごやかサロン」では楽しい事が多いようですが、そんな中ででもお母さんが一番熱心だったのがぬり絵だったようです。

宿題があったとも思えないので、お母さんがその時持って来たのは余計に頂いたものなのでしょう。

私はネットを検索、お母さんはぬり絵、彼女は夕食の支度…

テレビが小さくつきっぱなしで、たしか「笑点」が流れていたと思います。

トントントンっと台所で何かを刻んでいる音が聞こえていました。


不意に、お母さんが「あ痛っ」と持っていた色鉛筆を落としました。

私がチラッと見ると、右手の甲のあたりをさすっていたので私は「大丈夫かい」と聞くと、お母さんはニコニコしながら「なんともないよ」と言いました。

その時は私もさほど気にもとめずにいたのですが、今度はさすっていた右手をつねるような仕草をしていたので私はチョット想うところがあり、お母さんの膝元へ近寄りました。

何故かというと、つい最近私の父が脳梗塞で倒れたのですが、その時手にしていた物を何度も落とし、意味不明な言動があったと、一緒に居た人から聞いていて、目の前のお母さんとイメージが重なったからなのです。

私はまだ夕食の支度をしている彼女を呼びました。

「よしのちゃん、お母さんなんかおかしいよ」

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