家具雑貨工房 ki-kiru(きーきる)

木の家具や雑貨は見えない部分が肝心です。隠し事はありませんよ、全て公開しています。

 

お母さんのつくえ4 

『おかしい、こんなはずでは・・・』

テレビ台の真ん中に棚を設けたのですが、そいつが少し長くて天板に側板をあわせると底板と側板がズレてしまいます。その反対も同じこと。
 鉋でもあれば調整もできたのでしょうが、彼女のマンションには電動ドリルドライバーしかありませんし、私自身鉋どころか、ろくな道具ももっていません。
それでも、相手は木です。片方をネジでとめておいて、徒手空拳、エイヤッと力を込めてギュッと木を曲げるのです。プルプルしながら、丁度いいところでネジを入れます。
 私はクランプを持っていませんでした。 それどころか、板矧ぎに使うような、ナガ~いクランプの存在すら知りませんでした。
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 小1時間ほどで、あっという間に完成。テレビなどを載せ所定の場所に収めると『なかなか良いではないか』と思ってしまうのです、自分で作った満足感がありました。彼女もそうに違いない・・・



 その後、とくに木工にハマルわけでもなく、休日といえば二人でバードウォッチや魚釣りを楽しんでおりました。私たちは主に川へ出かけたのですが、それはまた絶景なトッテオキのポイントがあり、時々彼女が、
 『うわ~、こんな素敵なところお母さんにも見せてあげたいなぁ』と、つぶやくのです。
 
 
休日は広尾の人間になりすまし、平日は帯広で会社勤め。そんな事を繰り返していたある日 彼女が、自分のお母さんだけを引き取り、面倒を看たい旨を私に伝えてきました。
 
彼女の両親は芽室町の雄馬別という地区で農業を営んでいたのですが、いろいろあって離農し、まちへ出て来て、今は老夫婦二人で年金暮らし・・・そんなよくある風景が、一転して電撃が走ります。
 
詳しいことをここに載せる事は出来ませんが、私の彼女はヤル時はヤルのです。ある日突然、お父さんに内緒でお母さんを連れ出して来てしまいました。家出です!しかも、急いでいたのでしょう、お母さんは手かばんと、座布団1枚だけ持って、まるで夜逃げのように。
 
 お父さんのところから逃げて広尾へ向かう途中、私と落ち合い挨拶をしました。
 『お母さん、これからよろしくね、』と私が云ったかどうか、もう覚えていませんが、何かヤバイことに加担しているような、久々のワクワクを感じながら広尾へ向かう彼女の車を見送りました。
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