家具雑貨工房 ki-kiru(きーきる)

木の家具や雑貨は見えない部分が肝心です。隠し事はありませんよ、全て公開しています。

 

お母さんのつくえ 17 

『ようし、ここまでだね』

 3時になりました。予定通り荷物を運ぶのはひとまず終了、まだ細かい作業は残っていましたが、彼らが帰ってからやればいいのです。

『よし、これでいいはずだ』

 私はとりあえず、テレビの配線を済ませてスイッチを入れてすかさず、準備していたスポーツ新聞を広げます。 

『さあて、どうしようかなぁ』

 私たちは引越しの事はそっちのけで、テレビの競馬中継と新聞を見ながら、しかめっ面をして各々の希望的観測をつぶやくのです。
 


 白熱したゴール前の攻防を充分に堪能、一喜一憂し、この年のジャパンカップが終りましたが、一着で入線した馬が何か悪さをしたようで、なかなか確定(順位の決定)しませんでした。
 こういう場合、確定を待たされても順位がひっくり返ることが稀なので、私たちは早々にお開きとする事になりました。

 時間はまだ午後4時頃でしたが、彼らが会社に車を戻し、それぞれの自宅に着く頃にはとうに暗くなっているはず・・・
 それに今日はみんなで仲良くやりましたが、疲れていないわけが無い。何より、また明日から職場では上下関係が発生し、重労働を強いなければなりません。

『ありがとう、お疲れ様でした』

 私たちはK野さんとS田くんにそう言って手を振りました。
帯広へ向かう彼らが小さくなって消えてゆくのを見届けて、私たちはクルっと振り返り、
『よおし、続きだ!』と、気合をこめて、途方も無い感じの段ボールの山に向かいました。


 押入れなどに、なんとなくカテゴリ別に詰め込まれた衣類と、やり場が無く隅っこにとりあえず詰まれた段ボール箱は『いくらガンバっても簡単には片付かないね、ヘヘッ』とナメた目で見下しているようでしたが、如何せん私たちは結構いい歳で、体にそんなに鞭を打つわけにもいかないな、と妙な言い訳を自分に言い聞かせながら・・・
『そんなにナメたけりゃ、いくらでも舐めさせてやるよ。ペロペロ』と捨て台詞を吐くのでした。

 プシュッと缶ビールのフタを開け、晩酌・・・ 

 ドタバタと慌ただしく一日がおわり、私たちは良くやったと労い合いました。
大きくなった茶の間とそれぞれの部屋。間取りは以前より良いのですが、備え付けの収納は押入れのみ。
下駄箱も無いので、あらゆる物が自分の居場所がなく、落ち着く先を求めているようでした。

『いろいろと、家具が必要だね』

 私の出番だな、と思いました。

照明器具など新たに買い足したり、いろいろお金が飛んでいったので余分なお金なんてありません。

『じゃ、何から作ろうかな』








 

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